中央大学法科大学院教授 落合 誠一
日本アイ・ビー・エム最高顧問 北城 恪太郎

 高い経済成長を推し進め,人々の長期雇用を支えてきた日本の社会制度にひずみが目立つようになったとの指摘を耳にすることが増えてきました。バブル経済の後遺症が次々と表面化するなかで,新しい時代にあった経営を模索する動きも広がっています。海外からの日本経済の閉鎖性への批判の声は,一段と高まろうとしています。『日本コーポレート・ガバナンス・フォーラム』はこうした変化が進むなか,1994年に発足しました。

 「会社は誰のためにあるのか?」「経営のチェックは誰の手によって行われるのか?」こうした疑問を企業制度の原点まで立ち戻って考える研究分野を「コーポレート・ガバナンス」と呼びます。経営者の独断を許さず,一方で目先の利益のみを追求しがちな株主の専横を押さえ,また,従業員には公正な競争の場と雇用の機会を与える。こうした理想を実現するための会社制度を考えるのが最大の研究テーマとなります。
 80年代まで,順調な発展を遂げてきた日本では,それほどの重要性を認められていなかった分野ですが,転換期を迎え,国内でも注目を集めるようになってきました。そして,その研究対象は,企業制度,雇用,経営者の権限,監査,株主総会,資本市場,国際投資など大きな広がりをもっています。

 本会の基本理念として「学際性」「産学協同」「国際性」を挙げることが出来ます。この三つの理念は,本会の目標を実現するための道しるべでもあります。

本会は以上のような目的と方法論とを旨とし,コーポレート・ガバナンスにまつわる有効な政策提言を行っていくと同時に,新しい学会の可能性を拓くモデルのひとつになりたいと願っています。 21世紀につながる企業理念を探る本会に,関心を持つ多くの方々の参加を希望します。